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これまでの活動

発言例全文紹介②

日時:2014年6月7日(土)
場所:メキシコ下院(メキシコシティ)
会議名:第2回GLOBE世界議員サミット

『日本国会の百瀬智之と申します。本日はこのような機会を頂けて大変光栄に思っております。GLOBEの皆様、メキシコの皆様、本日ご列席の皆様始め、関係者の方々に深く感謝を申し上げます。

私からは日本の取組みとして河川の話をさせて頂きます。河川におきましては川上での国土開発や工業化が川下での水資源を悪化させ、また事業資源を劣化させる事例が日本の各地でも見られました。一国内での縦割り行政においては広範囲に及ぶ生態系の連環や価値を統合的・横断的に把握することが難しく、また今後水資源を巡る国際的な紛争の増加が見込まれています。その意味においては持続可能な開発を目指して我々立法者が科学的な視野を持って取り組む役割は大変大きいと認識しております。

私の住む地域では水資源を経済活動上の重要な基盤としていますが、昨今水資源の減少が問題となっております。その原因としては河川の上流に位置する企業が次々と水をくみ上げてしまう、水田が減少して地下水を貯水する機能が著しく損なわれている、といったことが挙げられておりまして、その影響として生態系を壊したり、農業に悪影響をもたらしたり、また市民の日常生活にも影響が出ているところでもあります。

この水資源の流域におきましては今様々な対策が練られており、その一例を紹介いたします。生態系を一つのインフラであると考えて市民から協力金として少額の税金を徴収し地下水の採取者に対してはそれよりも多額の税金を課すことを検討しております。金額の算定に当たっては自然資本会計の考えが応用できるのではと考えています。また水田の保全に向けた取組みもすでに始まっておりまして、各地方の柔軟な対応を可能にする法整備が必要であると認識しております。確かに市民や企業の理解を得ることは大変です。しかし人間が生活するために必要な水は無限に川を流れているわけではありません。優れた立法措置によって市民や企業の環境に対する意識を高め、森林の保全機能を高めていく必要があると思っています。

2011年現在、自然災害に起因する世界的損害は水系最高3800億ドルとかつてない水準にまで達しております。災害による損害の世界的な急増が無秩序な開発の結果であることは益々明白になっています。世界の自然災害に対する莫大なコストは一層右肩上がりになることが予想されていますが、このコストのうち、防災にあてがわれているのは5%に満たない僅かな割合であることを我々は忘れてはなりません。残りの多くは災害が起きた際の事後の緊急対応費として使用されております。大きな病気が見つかってから治療を始めるのでは遅い。会社の経営マニュアルでも何かが起きた時にどう対処するかということは指示されておりますが、起こさないためにそれをどうするかについてはあまり評価されないということと同じであります。

本当に大切なのは問題が起こった時に対策を講じることではなく、いち早く自然資本会計を確立して可能な限り事前に予防することではないでしょうか。川上から川下まで、そして海洋に至るまですべての生態系と人間たちが等しく自然の恩恵を受けられるような仕組みをつくる必要があるということを申し添え、私からの発言とさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。』