fbpx
MENU

水辺空間のにぎわい創出

今議会の一般質問で扱ったテーマは

「水辺空間のにぎわい創出」。

以下、一部抜粋してご紹介したい。

(中略)
さて、文明は川の流れとともにあり、都市は水際に発達する、といいます。西ではヴェネツィア、アムステルダムなど、河川や運河が繁栄の礎となった歴史都市は多く、東では例えば長江沿いに、上海、南京、重慶といった名立たる都市が並ぶなど、これらを挙げれば枚挙にいとまがありません。川辺の再開発を活性化の契機とした都市も多く、リバーウォークの再生によって、南部有数の観光都市に転じたアメリカのサンアントニオなどは早い成功事例といわれます。規模の大小はあるにせよ、このような事例は日本国内でも見られますが、では信州はどうでしょうか。先のように100年に一度、1000年に一度の備えをしっかり行うと同時に、災害のおそれのない残りすべての時間を、それぞれの水辺のシーンに合わせて有効な施策を打ってきたかといえば、私はそうではないと思います。とりわけ地方の活性化に焦点があたる今日、ウラとなった水辺を再びオモテに変えることは、単に都市のなかに憩いの空間をつくるというだけではなく、また未利用地を有効活用するというだけでもなく、それをマグネットにして、水辺と都市、あるいは農村部を結び付けながら、新しい地域を再創造する構想力を持つと思うのです。
ひとつ、松本市の中心部を流れる女鳥羽川を例にあげてみたいと思います。この川は長野県の事業として市街地にほど近い場所については平成14年までに整備事業が完了し、その上流部についても一昨年をもって一通りの改修工事を終えています。まちづくりの観点からも様々な経緯をたどってきましたが、近年は一昨年に「楽しい女鳥羽川を創ろう!」と題したワークショップが開かれるなどしたものの、次のステージに向けたビジョンはいまだ見えてきません。
この女鳥羽川を舞台に毎年数回、水辺のマルシェというイベントが開かれています。河川敷を利用して農産品から工芸品まで、出店を出したり、作家やアートパフォーマーの企画があったりと、水辺空間の賑わい創出にかかる様々な催しがあります。先日この実行責任者の方とお話する機会があり、2011年から始まったこのマルシェは、年々出店数が増え、今では出店するスペースが足りないほどになっているとのことでした。マルシェに対するニーズはあるし、その意義も大きい一方で、当初のスタッフが仕事の関係や産休などで次々といなくなり、イベントにかかるマンパワーが足りず、ボランティア頼みの運営にならざるを得なかったり、自然相手には河川敷に茂る雑草に手を焼いたり、また近隣商店街との調整に奔走したりと、苦労も多いようです。女鳥羽川は江戸時代から舟の運搬、舟運があり、明治に入ると北陸からの魚が豊富に運ばれ、女鳥羽川南岸にはたくさんの魚屋がならび、川沿いはたいへん賑わっていたといいます。この舟運も、現在の国道19号や、JR篠ノ井線が開通するに至って、姿を消すことになりました。歴史を傍らに、地域を盛り上げようと奮闘する方々とともに再び川沿いの賑わいを仕掛けることは、「人をひきつける快適な県づくり」を目指す、知事の方針と合致するのではないでしょうか。長野県のより積極的なアプローチを求めます。
そこで伺います。川が紡ぎだす自然環境は私たちの生活基盤であり、より魅力的なものにして、人々の生活に潤いをもたらすとともに、地域経済の活性化に活用することが望まれます。河川法の改正後、川の改修を行う際など、あらゆる機会を通じて「多自然川づくり」に取り組むとされてきましたが、国管理の一級河川に比べ、自治体管理河川での浸透は進んでいません。県内各地で断続的に河川の改修工事が行われていますが、県内の「多自然川づくり」の方針と、それを特に意識してつくられた河川の県内事例をご紹介ください。
平成21年にはかわまちづくり支援制度が創設され、県内では長野、上田、諏訪湖、伊那の4地区が登録したとお聞きしています。その後は平成23年度に河川敷地占用許可準則を改正し、要件を満たす場合、営業活動を行う事業者等による河川敷地の利用を可能とした、いわゆる河川空間のオープン化が実施されました。全国的にはオープン化の活用実績が現在累積で60件ほどあるようですが、県内事例はあるのでしょうか。また昨今は国交省が支援する、水辺の利用者を増やし、水辺を徹底的に活用する運動、ミズベリング・プロジェクトがにわかに活気をおびています。これらかわまちづくり、河川空間のオープン化、ミズベリングなど、水辺空間の賑わい創出事例について、直近5年間では県内ではどのような動きがあったのか、それらをどのように評価しているか、以上建設部長に見解を求めます。
この点、今年の秋ごろを目途に開設を予定している「信州地域デザインセンター」には大いに期待を寄せています。昨年まで2年間、建設委員会でお世話になり、特に都市まちづくり課とこれらの課題について様々なやり取りをしたことは記憶に新しいですが、創造的で快適な公共空間の形成という意味では長野県はまだまだ遅れており、若者を惹きつける仕掛けがハードソフト両面から足りないと思います。特に水辺と人々の関係には、散歩、憩い、ビジネス、観光、歴史文化、祭り、レクリエーション、交通、人の流れ、景観など、再構築されるべきコンテンツが多分に眠っています。水辺空間のにぎわい創出を含め、信州地域デザインセンターに期待する役割は何か、知事のご所見を伺います。