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自然保育所・幼稚園ココペリ

ルドルフ・バリーン財団が運営する自然保育所・幼稚園ココペリを訪問。
同財団は90年に及ぶ長い歴史を持ち、
現在ハンブルク市内に19の保育所・幼稚園を抱えている。
ココペリは1998年に設立され、0歳~6歳の子どもたち140人が通っている。
子どもたちは入園時に「園庭で過ごすグループ」か「森のグループ」かを選択する。
どちらのグループにも自然体験の機会が十分に与えられ、
園庭ビオトープや森の中での日々の遊びが心と体を育む。
グループは全部で5つで構成され、
3つが自然豊かな園庭で過ごすグループ、
残り2つが森で過ごすグループとなっている。
ここでも自然体験のほかにインクルーシブ教育、
すなわち年齢差や障害の有無にかかわらず一緒に過ごす教育方法に力点が置かれているため、いわゆる年少・年中・年長の区分けはあまり無いようであった。
小さい子は年長の子どもを模範にすることで多くの刺激を受け、
また年長の子どもも年下の子と知識や経験を共有し、
子どもたち相互の理解と団結力が育まれる。
このアプローチは園の教育学的な基礎であるという。
さて、
そのような観点から「グループ」が構成主体になるこの園では、
大変興味深い教育手法に出会うこととなった。
先生たちはそれを「プロジェクト」と呼んでいたが、
この園では積極的にプロジェクトが展開される。
それは6週間にわたるプロジェクトで、
6週間が過ぎたら2週間のインターバルを経て、
また次の6週間にわたるプロジェクトが展開される。
では一体なんのプロジェクトなのかというと、
それはグループごとにテーマを設定して、
グループを構成する園児みんなでそのテーマを探究するプロジェクトだ。
たとえば最近では「中世のプロジェクト」があったそうだ。
中世の絵本や資料をみながら、
この地域では中世にどんな洋服が着られていたのか、
どんな物が食べられていたのか、
どんな音楽が流れていたのか、
などについて考え、
中世の格好をしてみたり、
当時食べられていたものを森の中まで探しにいったり、
それを時には調理してみたり、
また地域の伝統音楽に触れる機会をつくったりする。
こうして具体的なテーマのもとに園児たちの探究心が育まれ、
次のプロジェクトに向けて発展的に昇華されていく。
他にも鳥のプロジェクトや光のプロジェクトなど、
いくつものテーマがあった。
これらはハンブルク市が策定するガイドラインに則って組まれるものらしいが、
自治体が細かく幼児教育に踏み入っている点にも驚いた。
日本では昨今、文部科学省のお墨付きで
「主体的・対話的で深い学び」が推奨されている。
大変良い理念だと思うが、
その実践方法についてはまだまだ手探りの段階だろう。
幼児教育における「主体的・対話的で深い学び」とは何なのか、
ココペリでそのひとつのヒントを頂いた。